先日、発達障がい者の就労支援をテーマにしたセミナーに参加してきました。
その中で、神奈川県労働局の方からは、障がい者の就労状況は堅調で、その内訳が、今や身体知的よりも精神の方が多く就労しているというデータが示されました。
それは、精神のカテゴリーに含まれる発達障害を認定された方が増えたということで、必ずしも精神障がい者の雇用が進んだということではなさそうなのですが。
グループディスカッションでは、発達障がい者を支える関係機関のネットワークがテーマで、私のグループには、障害者職業センターの方や養護学校の先生、民間の児童相談所のスタッフの方、生活支援課の職員さん、発達支援センターと就労援助センターのスタッフの方などが揃いました。
他のグループでは、ハローワークの職員さん、精神病院デイケアのスタッフさん、若者サポートステーションの方、就労移行支援事業所のスタッフの方などがいらしていました。
こうしたセミナーなり会議なりに参加すると、いつもきまって居心地の悪さを感じてしまうのです。
「障がい者の就労推進派」とでもいうような方々の集まりですと、それが強くなってきます。
それは例えば、雇用率などがグラフで示されたりしますが、離職率が示されることはなかったり、
就職できない、あるいは就職しても続けられないのには、背景に貧困や虐待などの問題の他、労使双方の過酷な競争事情などが横たわっているからなのですが、そうしたことに踏み込む議論になることはなかったりと、
障害者雇用が進んで、どんな社会にしたいのか、同じ方向に同じものを見ているようで実は違うものを見ていたというような居心地の悪さなのです。
そういうものを端々に感じてしまって、場違いな印象を受けるのでしょうね。
身内が集まって、日頃のストレスを発散させるだけの場になってしまっているような…
いつも不完全燃焼させられるようなのです。
第一、会場に明るさがありません。
MCの方は、場を盛り上げようと懸命ですが、なかなかそうなりません。
福祉の仕事をする人たちの資質がそうさせるのでしょうか?
しかし、明るくないところに人は集まらないと思います。
特に介護の分野で人不足が深刻です。
低賃金が原因だと言われていますが、それを言いすぎる面もあるのじゃないかと思っています。
きつくて汚くて給料も安いとばかり言われるところに人は集まらないでしょう。
金、金と言わないでくれ、この仕事はそれだけじゃないんだ、と声を上げていかなければならないとも思うのです。
他の仕事では決して得られない喜びがあるのだと。
ですから経営者は賃金を上げることも大事ですが、職員が誇りを持って働ける環境を作ることも大事だと思います。
この業界を明るく楽しくしたい、そんなことを感じさせてくれるセミナーでした。