今、本が見直されてきているのだそうです。
「本離れ」が言われて久しいけれど、このコロナで再び本を手にする人が増えているとか。
家にいる時間が増えたことだけが理由ではなさそうです。
「SNS疲れ」とも言われていますね。
それらの簡単に手に入る情報は、内容が薄っぺらで信用できないと感じる人が増えているとか。
もともと活字中毒の私が、ほとんど見ないテレビやユーチューブを擁護するわけではないですが、動画であれ本であれ、そこに想像を掻き立てる表現が含まれていなければうるさいだけです。
やはり「紙」がいいのです。
読みたかった本のページを、誰にも何にも邪魔されずにめくる時間は、他には代えがたいものがあります。
電子書籍は試したことがないですが、やはり紙の本のようにはいかないだろうと思います。
紙は床に落とそうと飲み物をこぼそうと大きな影響はないですが、タブレットはそうはいきませんから。
先日久しぶりに書店に行ってみました。
否、書店には度々行きますが、それは大抵他の用事の時間調整のために入るひやかしのようなものでした。
書店に行くための時間を作ったのは実に久しぶりでした。
それほど広くない店だったので、どんな本が置いてあるのか隅々まで見て回りました。
それはとても充実した時間でした。
他の人も触れただろう本を手に取るのは一瞬気が引けましたが、中身を見たい欲求がそれを上回りました。
新聞の書評などで知った本の場合は通販から注文すれば済むのですが、それだと自分の好みに偏りすぎるので、トレンドを知るには書店に足を運ぶのがいいだろうと思ったのです。
園芸関係の本が意外に多いのは嬉しかったですね。
隣の旅行本に引けを取らないスペースを与えられているようでした。
ガーデニングがちょっとしたブームなのだそうです。
庭の価値が見直されているということなのでしょうか。
庭は持たなくても、植物を生活に取り入れたいと考える人は増えているようです。
「植物と暮らすアイデア」というタイトルの本を買いました。
どうしても職業柄、屋外の庭にばかり目がいってしまって、屋内で植物を育てることに抵抗感があった私ですが、近頃園芸店などで見る観葉植物は存在感があって圧倒されるのです。
先日も、凛として艶やかな新人さんをわが家に迎え入れたところです。
発達障害に関する類の本もかなりのスペースを割いて置かれていました。
身近な関心事になっている人が増えているのでしょうか。
ひっそりと奥の方に置かれることが常だった宗教関連の本に特設コーナーが与えられていました。
これも自然な流れなのでしょうか。
外国の文化と歴史に触れる機会が増え、宗教に無関心というわけにもいかなくなってきている方が増えているのでしょうね。
写真をふんだんに使った「キリスト教とは何か」という本は、まだまだ私の知らなかったキリスト教の奥深さを分かりやすく表現していて、子供たちに読ませたいと思い購入しました。
三度も妻を取り換えた父を見ているせいか、あれほど結婚なんてしないと言っていた娘が、三十を目の前にして急に方針転換したのは、コロナに感染した影響が大きかったようです。
都内で一人暮らしでしたから、心配しました。
幸い症状は軽く、回復しましたが、やはり心細かったのでしょうね。
悪い事ばかりではないようです。
史上最大のベストセラーでありロングセラーと言われる聖書には「神のなさることは人の目には不思議なこと」とありますが、そんな言葉をじっくりと味わいたくなるこの頃です。