大谷翔平選手の活躍には驚きました。
野球に興味を失ってから久しかったのですが、彼のプレーにはワクワクしました。
投げて打って走ってという野球の醍醐味を一人でやって見せたわけですから、すごい。
こういう選手がそうそう生まれるとは思いませんが、野球ファンの目を開かせてくれたことは間違いありません。
彼の周囲の方たちも称賛されていいですね。
二刀流にこだわる彼を上手に支え続けたのでしょうから。
常識的にはどっちかに専念した方が成功の確率が上がることは明白です。
当然周りはそれを勧めるでしょう。
でも本人の熱い思いと意思を尊重し、注意深く観察しながら寄り添ってこられたのでしょうね。
もちろん彼が人並外れた素質を持っていることは誰の目にも明らかだったからできたことだとは思いますが、人を育てるということの本質を見せてもらったような気がします。
所属球団のエンジェルスは彼のおかげで相当儲けたようですが、起用法には賛否両論あるようです。
来シーズンはどこの球団でプレーするのか、どこまで二刀流で行くのか、興味は尽きないですね。
それにしてもあの世界中から集まる屈強なメジャーリーガーの中で、全く見劣りしない体格とフェアプレーに徹する姿勢は素晴らしい。
同じ日本人として誇らしい気持ちにさせてくれますね。
プレーに邪魔だろうにものすごい長髪と口髭を蓄えた選手や、光物や刺青を派手にひけらかす選手がまったくバカに見えます。
試合中でもグランドにゴミが落ちていれば拾い、対戦した選手の折れたバットを拾って渡す姿など、呆れるほどにカッコイイのです。
どうしたらこんな若者が育つのか、自らの若い時分と重ねて暗澹たる気持ちにさせられます。
当然、妬む輩もいるでしょう。
ぶつけてやれと思うアウトローもいるわけです。
それは敵だけじゃなく、仲間内にもいる。
虎視眈々と足を引っ張ろうとするやつがいても不思議じゃない。
実力と結果がすべての世界です。
結果を残せるかどうかで、選手をやめた後の人生にまで大きな違いが生まれるのですから、皆必死です。
彼はそういうリスクを回避するのに、あの「笑顔」を使ってやってのけた。
笑顔も一流というスポーツ選手を私は他に知りません。
弱肉強食のこの世界で笑顔がこれほど役に立つことを教えたのは彼が初めてじゃないか。
アメリカに渡った若い時分に、「にやにやするな!」とボスに叱られたことを思い出します。
私たち日本人は、つらい苦しい時でも笑顔を見せたりしますね。
それがアメリカ人には理解できないらしいのです。
初対面の時は、相手の目をまっすぐに見て力を込めて握手しろ。
なめられたら終わりというわけですね。
でもどうでしょう、そういう警戒心に満ちた高圧的な態度が世界を平和にしたでしょうか?
発達障害の方などは、周囲に注意を向けたりするのが苦手です。
目の前の自分のことに集中しすぎてしまうので、自己中心的、自分勝手、わがままと写ってしまうことが多い。
他人の感情を汲み取るのが苦手ですから、物言いがつい自分中心で脈略にないことにまで飛躍してしまったりします。
好奇心や向上心、行動力もあって結果を出すこともできるのだけれど、協調性などそのプロセスを大事にする集団では「出る杭」になってしまう。
出る杭は調和を重んじる組織では打たれます。躊躇なく。
それで打たれた杭は考えます。なぜ自分だけこんな目に合わなければならないのだろうと。
出るタイミングが悪かったとか、もう少しソフトにすればよかったとか、場所を間違えたとかいうことには思いが至りません。
基本的に自分は何も悪くないから。
やるべきことをやっている自分は悪くない。悪いのは周りだと、周囲を攻撃し始めます。
こうなってはもう手の打ちようがないですね。
決めたら後に引かない、引けない人が多いです。
その集団から離れるのが最善でしょう。
あるいは打たれる前に「笑顔」を見せていれば、状況は変わっていたかもしれません。
物事や感情を言葉や表情で表現するのが苦手なために、誤解されてしまうのです。
就労支援プログラムに、笑顔を作る練習があってもいいですね。
「笑顔」は武器です。
自分や周囲を守り幸せを手にするための最高の武器なのです。
コストはかからないし、身に付けるのはそんなに難しくはない。
難しいのは使い続けることでしょう。
私たち日本人は、困難や悲しみが襲った時でも笑顔を作り、自分や周囲を励ましたり勇気付けたりして乗り越えてきたのだと思います。
過去の偉大なリーダーたちでさえも、時折飛び切りの笑顔を見せて、人々を引っ張っていったのでしょう。
そういう素地が大谷翔平選手にはあるのだろうなと思えて仕方ないのです。
見習わなければなりません。