社長ブログ

根の深い問題

昨年末の忘年会の挨拶で、「皆さん、新聞を読んでください。ニュースを見ましょう」とお伝えしました。
自分の殻に閉じこもらず、外に目を向けてほしいという思いからです。
自閉傾向のある利用者さんの中には、私たちから見ると実に些細なことで、怒りを爆発させてしまったりします。
その怒りは赤の他人に向くことはありませんが、ごく身近な人や物に向けられます。
特に母親がターゲットになることが多いようですが、そんな子に母親は生活も心も縛られてしまうことになるのです。
もっと外の世界に関心を持って目を向けるようになれば、自分だけのの小さなこだわりなどから少しは解放されるのじゃないかと思うのですが。

昨夜のNHKのニュースで、セックスレス夫婦が増えているとありましたが、これには考えさせられました。
その他のニュースは、フランスのテロ関連で、表現の自由と宗教についてだったり、また、日本では火葬場が足りないという現状についてだったり、と盛りだくさんの内容だったのですが、NHKが意図したわけではないでしょうが、それらには関連があるように思ったからです。

自由も宗教も、ある人々にとっては命がけで守りたい大事なものです。
現在の日本は「多死社会」だそうで、20年後にはかなり深刻な火葬場不足になるとのこと。
日本人の夫婦の約半分がセックスレスだそうで、これは世界的にも際立っており、少子化の視点から見ても由々しきことだと。

そのセックスレスについてインタビューに答えていた女性の、「家族だから」「そんなに大事なことじゃない」というのを聞いて、日本はやはりまだまだ「家社会」なんだなと思いました。
結婚すればその家の人間になり、子供ができればパパとママと呼び合うあいだになる。
すべてが子供中心で、子供が主役になってしまう家が多いそうですね。
一方、欧米では、家は夫婦のものです。
そして一神教の神と自分との関係性において個人の自由が尊重されます。
日本は八百万の神の国ですから、ある意味宗教には寛容です。
神との関係より、家族や土地や祖先との関係の方が大事です。
夫婦が愛し合って命が誕生し、その人がどこでどんな人生を送ろうと、最後は死んで焼かれます。
そうした人生に意味を与えるものが宗教かもしれませんが、その宗教をめぐって人が殺しあう。
大方の人が無宗教を自認する日本ではあまりそうした対立は起こりません。

臨床心理士の方が言っておられました。
傷つきたくない、傷つけたくないという思いがセックスを遠ざけているのでは、と。

欧米の人は私たち日本人に比べ、傷つけあうことに慣れているのか、耐えられるのか…
私たち日本人は傷つけあうのを恐れ、何事も深入りしないのか…

そんなことをある利用者さんのことを思い浮かべながら考えました。

案外根が深い問題かもしれないと思いました。