先輩たちの声

溝口さん(伊勢原クラフト担当)

クラフト担当の溝口です。
前職では高齢者施設で10年間園芸療法の仕事をしていました。
活動の中でどのように高齢者の方とどう関わったらいいのかわからず、心理の勉強を始め臨床心理士、公認心理師の資格をとりました。
仕事しながらの勉強だったので、大変でしたが、その時に知り合った方々や知識や経験は今でも宝になっています。

現職は入社5年目で、自然と触れ合えるこの仕事がとても好きです。
おもに当社のクラフト商品「雨の木」の製作販売・技術指導の仕事をしています。
レインツリーでは「ガーデニングで障害者支援」をしています。
お庭のお手入れで出た剪定枝を処分するのではなく、その剪定枝を使って木工クラフト製品(鉢カバー、額、ピック)を作り、販売し工賃に役立てております。

開業当時はSDGsという言葉もなかった頃で、環境に先駆けたアイデアを実践していた先進的な事業所だったと思います。この事も凄い事なのですが、私にはこの仕組みがとても気に入っている理由が他に2つあります。

一つ目は、クラフト製品の資材がお庭の剪定枝なので、資材代の経費がかからず、この事が失敗をおおいに許してくれるからです。
利用者の方は必ずしも器用な方ばかりではありません。このため切断線通りには切れない方もいます。
失敗に寛容な環境で作業できる事は、利用者さんだけでなく、職員にも余裕をもたらしてくれます。

二つ目は、限定された資材を活かす面白さがあるからです。
お庭の剪定枝を利用することは、ホームセンターで売っているような真っすぐな板のように使いやすいものではなく、椿、モミジ、モクレン、桜等が製材されてない状態で且つ細い枝しか使えない事を意味します。
この事は、障害という力量が限定された方を生かす事と相通じるところがあります。
利用者さんの状態や特性を見極める作業と資材の見極めの両輪が必要になり、これが工夫のしどころでもあり、醍醐味でもあります。
例えば、四角にならなかった切れ端を見た利用者さんの言葉から、ミニ絵馬チャームや石垣とネーミングされた商品が出来ました。利用者さんと職員とのコラボ商品!この喜びに勝るものはありません。

毎日大変ではありますが、何年も勤め続けてこられたのは、このような面白さあるからだと思います。
職員の支援が利用者の方の喜びや自尊心の向上に繋がる事に役立てられるようにこれからも皆さんと頑張っていきたいと思っています。